実家のソファーでついつい就寝してしまった8月最後の朝。
首元にネコパンチを受け目を覚ましたら、部屋の中にオレンジ色の光が差し込んでいる。
慌てて、カメラを掴んで外に。
学生諸君にとっては、9月から2学期が始まると思えば、今日が夏の終わり。大人にとってはただの日常であっても…
積もり積もった夏の記憶。
でも、人の記憶とは、随分と曖昧なものです。
学校帰りに海で泳いだり、お好み焼きを食べたりした友達。
あの頃は、自転車でどへでも行けると思っていたな。
カーテンが揺らめく耳鼻科の待ち合い室。
みんなで一緒に遊んだ事があっても、話をした事が無かった美人の先輩と2人だけの空間。
長い沈黙に堪え兼ねて、急に「私、中耳炎…」と話しかけてきた彼女(ちなみにボクは外耳炎でした)
それらの夏の思い出も、今になっては、記憶を辿っても毎秒毎秒、だんだんと風化していき、みんなの顔はおろか、その輪郭や声さえもぼんやりとしています。
本当にあった事かどうかも微妙に感じてきた。
たぶん、随分と勝手に書き換えている記憶もあるはず、、、
『淡路島コーヒー』の味の記憶は確かなんですが。
記憶を辿って、海まですこし散歩。
一年間に1キロ速度を上げて進む人生。
時速36キロで過ぎていく夏は、思いのほか、あっという間に過ぎ去っていきます。
靴を脱いで、波打ち際を歩いてみる。